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中心静脈カテーテル(CVC)挿入中の看護管理

デバイス管理

こんにちは、たかしーです

今回は一般病棟でも、ユニットでもよく見る中心静脈カテーテル(以下CVC)についてまとめてみました

CVCは触れる機会が多いデバイスのため、ここでポイントを押さえておきましょう!

  • 挿入でのメリット
  • ルートの選択
  • 構造の特徴
  • 挿入部と特徴
  • 管理のポイント

挿入でのメリット

侵襲度の小さい末梢ルートではなく、中心静脈を選択をするからには、それなりの必要性がなければいけません

CVCは患者さんの負担も大きいですが以下のようなとても大きなメリットがあります

1,血管炎を起こしやすい薬剤(高カロリー輸液、抗がん剤、カテコラミン)でも投与可能

2,末梢ルートよりも確実性の高い持続投与が可能

3,内腔が広く、先端が心臓付近にあるため、緊急時の急速投与、ワンショットが反映しやすい

4,中心静脈圧(CVP)を測定可能

これだけ見てもCVCの有用性が伺えますよね

CVCの挿入を考える時、このメリット全てに該当する必要はありません

高カロリー輸液や12%以上のブドウ糖液の投与ではCVCを使用するという原則があるので、1つの理由で使用することも多くの場面で見受けられます

一般病棟でCVC管理している患者さんの多くは1、2の理由が多く、集中ケアユニットで管理している患者さんは3、4の理由が多いように思います

ルートの選択

CVCには、シングル(1)、ダブル(2)、トリプル(3)、クワッド(4)という4つのカテーテルから使用するものを状況に応じて選択します

単純に、この選択は必要なルートの本数です

必要なルートが1本ならシングル、2本ならダブル、、、ということです

イメージしやすいように、例題で考えてみましょう

この点滴投与をするとなったとき、何ルート必要になると思いますか?

この場合は3ルート、すなわちトリプルが選択されます

なぜ3ルート必要なのか、3ルートで足りるのか解説していきます

・高カロリー輸液は基本的に単独投与なので1ルート

・ノルアドレナリンとDOBは共にカテコラミンとして同一ルートから投与するので、これで2ルート(理想は単独投与だがなかなか難しい)

・上記の2ルートともに側管からのセファゾリンの投与ができないので、セファゾリン投与ルートとして3ルートとなります

セファゾリンは持続投与ではないので、そのルートは中心静脈圧測定ルートとしてヘパリン生食につなぐことでルートが詰まることはないです

このような感じで、投与する薬剤、配合変化、今後の状態変化などを予想してCVCの選択を行います

構造の特徴

CVCは断面をみるとこのようになっており、それぞれ太さが異なります

また先端からDistal→Medial→Proximalの順で投与される孔が異なります

これはCVC本体を見ていただくと、本当に小さい字で書いてあるので是非チェックしてみてください

特徴

・Distal

孔の位置:先端

:16G

最も心臓に近く、 内も太いので緊急時の急速投与やフラッシュ投与に有用

基本的にメインルートになることが多い

・Medial

孔の位置:トリプルでは25mm、クワッドでは15mmと35mmの位置

内腔:トリプル18G、クワッド14Gと18G

クワッドの14Gの孔ではDistalと同様に急速投与ラインとしての役割がありますが、トリプルのMedialでは内腔が18Gとやや細いため、フローが安定するという特徴があります

そのため、低流量でなるべく投与量を厳密に守りたい薬剤の投与孔として向いています

・Proximal

孔の位置:トリプルでは50mm、クワッドでは55mm

内腔:18G

孔が刺入部に近いため、CVCが少し抜けると一番に投与漏れのリスクがあります

そのため、影響の少ない薬剤の投与が選択されることが多いです

挿入部と特徴

選択される刺入部は以下の3つで、それぞれに利点、欠点があります

・内頚静脈(第一選択)

メリット:気胸のリスクが低く安全、動脈穿刺時に圧迫しやすい

デメリット:重要臓器が近いため、合併症時重篤化のリスクが高い

・大腿静脈

メリット:穿刺や止血が容易、気胸のリスクが低い

デメリット:汚染されやすい、血栓症のリスクが高い、動きにくさからADLが低下しやすい

・鎖骨下静脈

メリット:感染リスクが少なく長期留置に最適、固定が容易

デメリット:気胸・動脈穿刺のリスクが高い、リンパ漏のリスクがある、動脈穿刺時の圧迫止血が困難

それぞれ、このような特徴があります

特に、鎖骨下静脈からのCVC挿入時下画像の内頚静脈の方向(×の方向)へカテーテルが入ってしまう場合があるので、挿入介助時は患者さんに挿入部の方に顔を向けていただくようにしましょう

そうすることで、内頚静脈方向にカテーテルが向かうリスクが減ります

管理のポイント

合併症の有無の観察

CVC挿入時、挿入中の合併症として

気胸・血胸、出血・血腫、空気塞栓、不整脈(心房性)、心タンポナーデ、感染などが挙げられます

気胸/血胸:酸素化・呼吸音の変化や自覚症状の有無、レントゲンでの確認を行います

不整脈/心タンポナーデ:レントゲンでの先端位置の確認、カテーテルに書いてあるマーカーで長さの確認、心房細動/粗動、期外収縮の有無、低電位、血圧の変化を確認します

心タンポナーデではエコー、心電図、CTなどで所見が現れます

感染:刺入部の清潔を保持できるよう対応し、感染徴候を確認します

CDCのガイドラインでは、CVCの入れ替え時期に決まりはないとされていますが、1週間以上の挿入時は交換している病院も多いようです

空気塞栓:ルート内のエア混入の確認(側管薬やフラッシュ時)、塞栓症状の確認

中心静脈圧(CVP)の確認

CVPの基準値は4~8mmHg

適宜0校正を行う必要があります(0点は第四肋間と中腋窩線上)

前負荷の指標とされるCVPですが、値を点で見るのではなくどのように値が変化しているのかというところに注目!

CVPを見る時注意が必要なのは、呼吸器管理中でPEEPが高い時

この時はCVPが本当の値よりも低く出ている可能性があります

CVCはAラインと同様に圧ラインとしてヘパリン生食を使用します

HITの患者さんではヘパリンが使用できないので注意が必要です

CVC管理のポイントはいかがだったでしょうか

少しでも皆さんのためになったなら幸いです

この投稿は主に「ICUナースノート」を参考にしてます


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