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心電図の見方③~T波、QT間隔~

心電図

こんにちは、たかしーです

心電図の見方シリーズ第3弾はT波、QT間隔についてです

この回でひとまずこのシリーズは最後になります

少しでも心電図の意味を理解して、心電図に対して抵抗が無くなればうれしいです

  • T波
  • QT間隔

T波

心電図上でいうT波はQRS波の後の赤線部分を言います

T波は、急速な再分極過程を表現しています

簡単に言うと、心室の興奮が終了し、休む時間(不応期)になります

この不応期は様々な不整脈を考える時に非常に重要なものなので、言葉だけでも是非覚えておいてください

正常

・陽性:Ⅰ、Ⅱ、V2~V6

・陰性:aVR

Ⅲ、aVL、aVF、V1では、陽性でも陰性でも良いとされています

高さ:12mm未満かつR波の1/10以上

心電図上で簡便に見る手法として、R波の高さの1/2以下で増高を判断したりもします

・基本的にQRS波と同じ向き

T波の種類と疾患

T波も形によって様々な名称があり、その形から異常を発見し疾患を探します

T波のみでは基本的には診断確定にはならないですが、組み合わせしてわかることも多いので全誘導で確認するべき項目です

疾患例として、、、

・T波増高:急性期の心筋梗塞、低Ca血症、高K血症(テント状T)、完全左脚ブロック(胸部誘導)、容量負荷による左室肥大など

・冠性T波:心筋梗塞後

・T波の平坦・陰性化:低K血症、低Ca血症、ジギタリス効果、圧負荷による左室肥大、Wellens症候群、肺塞栓症など

・巨大陰性T波:脳血管障害、たこつぼ型心筋症など

特に、前胸部誘導で10mm以上、肢誘導で5mm以上のT波の増高が見られた場合は、心筋梗塞の超急性期の可能性が高いので要注意です!

QT間隔

QT間隔は、心室の脱分極と再分極の総和を表しています

つまり、心室が収縮している時間を指しています

ちなみに、この時間のことを活動電位維持時間と言ったりもします

心電図上でQT間隔は、Q波の始まりからT波の終わりまでの時間のことを指します

T波の終わりは、上の画像のようにT波の下行線の一番傾斜の急なところからの接線と、基線との交点で測ることができます

簡便な方法で言うと、T波の終わりがRR間隔の中間よりも前にある場合はQT間隔は正常とするというのがありますが、心拍数が早い場合すべての例で延長と評価されてしまいます

厳密に測定する下のBazettの公式という方法があります

これに代入するだけで求めることが可能です

QTcの正常は、0.35~0.44とされています

0.35秒以下をQT短縮、0.44秒以上をQT延長といいます

疾患・原因

QT間隔延長

・先天性QT延長症候群

・低K、低Ca血症

・脳血管障害

・自律神経障害

・薬剤性(多いのはK整流チャネル遮断薬)

循環器でよく使用する薬剤として、ソタコール、アミオダロン、アミサリン、リスモダン、タンボコールなどがあります

QT間隔短縮

・先天性QT短縮症候群

・高K、高Ca血症

・心筋虚血

・ジギタリス効果

・アシドーシス

・カテコラミン

不整脈

なぜこのQT間隔が延長、短縮しているのか見ないといけないかというのには理由があるんです

それは、QT延長が起こるということは心臓のイオンチャネルの異常によって電気的に不安定な状態となり不整脈を誘発するリスクがあるからです

QT延長から誘発される不整脈で有名なのが、多形性心室頻拍の一つであるトルサード・ド・ポアンツ(Tdp)です↓

自然に停止することもありますが、心室細動へ移行する可能性もある危険な不整脈です

心室細動に移行するのももちろん危険ですが、 トルサード・ド・ポアンツ を心室頻拍と診断し間違い、アミオダロンを投与してしまうと、原因がQT延長の場合、より助長していることになります

そのため、 トルサード・ド・ポアンツ の可能性がある場合は、 トルサード・ド・ポアンツ が出現する前の心電図を見て、QT延長がないか確認することが大切です

QT延長でも、短縮でも家族歴や失神歴、遺伝子検査の点数によってはICD植込みの適応になることがあります

いかがだったでしょうか、本来であれば活動電位やチャネルの解説も入れると、より詳しくわかると思いますが、同時に混乱するかもしれないのでここまでにします

また違う投稿でやりたいと思うので、少々お待ちください

この記事でT波、QT間隔の正常、重要性を少しでもわかっていただけたのなら幸いです

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