こんにちは、たかしーです
今回はカフリークテストについてまとめてみました
様々な職種で実施されているものなので、ぜひ考え方や評価の仕方などわかっていただけたら幸いです
事前の独自アンケート(どの業種がカフリークテストを行うか)では、医師46%、看護師39%、理学療法士12%、臨床工学技士3%との結果が得られました
アンケート結果からも、この4業種の方であれば覚えておくに越したことはないですよね
- カフリークテストとは
- 上気道浮腫・狭窄の原因
- 評価方法・評価基準
- 対応
カフリークテストとは
カフリークテストは、長期間の挿管や、外傷での挿管など上気道の浮腫・狭窄が発生するリスクのある患者さんに対して、抜管前に事前に評価することをいいます
発生リスクがある患者さんに対して施行されるため、施行しなければならない厳密な基準というものはありません
そのため、患者さんの状態をみて他職種でカンファレンスしアセスメントを共有することが大切になります
上気道浮腫・狭窄の原因
上気道浮腫・狭窄の原因因子
・挿管期間が長い(3日~6日以上)
・太い挿管チューブ(チューブ径/喉頭径の比>45%)
・外傷での挿管
・筋弛緩、鎮静薬なしでの挿管
・気管支喘息の既往
・誤嚥
・胃管チューブなど他にもチューブが入っている
・高齢女性
このように多くのリスク因子があります
しかし、カフリークテストを行うかは、上述したように総合的な判断なので、例え1項目が当てはまっていたとしても、実施されない場合もあります
むしろ、1項目だけでそれだけのリスクがある方が稀とも言えます
評価方法・評価基準
・評価方法
患者さんには検査の内容、方法を十分に説明する
①Vt1とVt2の計測は呼吸器設定A/Cの強制換気にする(SIMVでも自発呼吸がない状態なら可)
②人工呼吸器の呼気一回換気量モニタリングで測定・記録しTv1とする
③気管チューブのカフを抜く
④連続6呼吸サイクルのTv2を人工呼吸器の呼気一回換気量モニタリングで測定・記録し、低い方から3サイクルの測定値の平均値をVt2とする
⑤カフリークボリュームVt1-Vt2を算出する
以上がカフリークテストの評価方法となります
記録や計算が必要なので、観察する人と記録する人の2人以上で実施すると安全かもしれないですね
・評価基準
カフリークボリュームVt1-Vt2を算出する
カフリークボリューム≦110mLの場合陽性と判断します
※陽性=上気道浮腫・狭窄している
※カフリークボリュームがVTの24%をcut offとして用いる場合もあります
カフリークテストは、感度は低く特異度は高いと言われています
これはどういうことかというと、陽性の場合は高い確率で抜管後喉頭浮腫を予測できますが、カフリークテスト陰性であっても抜管後喉頭浮腫の可能性を否定できない
ということになります
あくまでカフリークテストも1つの指標として扱うべきということですね
対応
対応は基本的にはステロイドの投与となります
抜管する12~24時間前からのステロイド頻回投与の有用性が確立されています
抜管4時間前にmPSL(ステロイド)40mg単回投与という方法でその有用性を報告した文献もあるようです
詳しくは聖マリアンナの記事に載っているので興味があればご参照くださいhttp://www.marianna-u.ac.jp/dbps_data/_material_/ikyoku/20171010Nagano.pdf
カフリークテストが陽性になってしまうと、そこからステロイド投与の検討が始まり、抜管のタイミングが遠のいてしまいます
長期挿管管理はそれだけでリスクになります
そのため上気道浮腫・狭窄のリスクが高いのではないかと考えられる症例では、早めにカンファレンスし予防的にステロイドを使用しておくなど対応することで、より安全に、より早期に人工呼吸器から離脱することだできるのではないでしょうか
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