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こんにちは、たかしーです
入院患者さんの排便コントロールってとても重要ですよね
今回は看護職なら100%知っておくべき下剤についてまとめてみました
- 非刺激性下剤
- 刺激性下剤
- 坐薬
- 浣腸
非刺激性下剤
・塩類下剤
ex)酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム
腸で吸収されにくく、服用すると腸内の浸透圧が高まる
その後腸管内に水分が圧較差により移動することにより便が柔らかくなります
多くの水で服用するとより効果的です
・膨張性下剤
ex)カルメロース、ラクツロース
腸管内で吸収されず、服用した水や腸管内の水分を吸収することによって便を大きくする
それにより腸に物理的刺激を与え排便を促します
2~3日連続して服用するとより効果的です
・浸潤性下剤
ex)ジオクチソジウムスルホサクシネート
界面活性作用によって便の表面張力を低下させる
その結果便中に水分を浸透させ、便を柔らかくする
副作用がなく、クセになりにくいという特徴がある
しかし、他の下剤と比べ作用が弱い
・Clチャネル賦活性下剤
ex)アミティーザ
小腸粘膜上皮細胞にあるClチャネルを活性化することで、粘膜上皮細胞内にあったClイオンが腸内に移動
それに伴いって受動的にNaや水分が腸内に移動して腸内の水分量を増やすことで便を柔らかくする
小腸に作用するため、下痢になりにくく、自然な排便が期待できます
刺激性下剤
・小腸刺激性下剤
ex)ヒマシ油
小腸の中でリパーゼの作用を受け、グリセリンとリシノール酸に分解される
このリシノール酸が小腸を刺激することで排便を促します
紹介しましたが、現在はほとんど使用されていません
・アントラキノン系(大腸刺激性下剤)
ex)センノシド、センナ、ダイオウ末
大腸の腸内細菌によって分解されて作られたアントラキノンが、大腸の粘膜を直接刺激
もしくは腸管壁の神経を刺激することによって、腸蠕動を亢進し排便を促します
単回投与でも効果があり、排便を起こす作用発現時間は比較的短いです(服用後8~12時間)
・フェノールフタレイン系(大腸刺激性下剤)
ex)フェノバリン
小腸の胆汁に分解された後、大腸粘膜を刺激し蠕動運動を亢進させることで排便を促します
常用薬として使用されることが多いです
・ジフェニルメタン化合物(大腸刺激性下剤)
ex)ピコスルファートナトリウム
腸内細菌による分解物が、腸蠕動を亢進させる作用と、腸管粘膜での水分吸収阻害作用により便を柔らかくする作用があります
便秘症での場合は通常10~15滴内服します
造影剤投与後や術後、大腸検査前などで投与量が変わります
坐薬
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・炭酸水素ナトリウム・無水リン酸二水素ナトリウム配合坐薬
ex)レシカルボン坐薬
腸内で炭酸ガスを発生し、腸蠕動運動を亢進することで排便を促します
坐薬投与後5分程度、排便せずに我慢していただく必要があります
投与後30分経っても効果がない場合は追加投与を検討→3個目の使用は、2回目投与から6時間間隔をあけて行います
浣腸
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ex)グリセリン
直腸粘膜に刺激を与えることで、腸管の蠕動運動を亢進させ排便を促します
吸収性もあるため、直腸内に注入することで、腸管壁の水分を吸収し便が柔らかくなります
浣腸の主成分は 水:50%、グリセリン:50%になります
直腸穿孔のリスクがあるため、基本的には左側臥位、5cm程度の深さまで差し込みます
今回まとめた下剤以外にも、坐薬の塩類下剤や、透析患者さんにも使用しやすい糖類下剤など様々な下剤が存在します
しかし、排便コントロールを考える時は、`下剤’と一括りにせずアセスメントをした上で適正な下剤なのかを考えることが大切です
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