フロセミド使用時の看護のPOINT
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フロセミドは循環器病棟や集中ケアUNITにいる方なら100%聞いたことがある薬剤ですね!今回はそんな超使用頻度の高いフロセミドを使用した際の、看護のポイントについてまとめてみました
- 作用機序と観察ポイント
- 使い方~作用時間~
- 使い方~応用~
1.作用機序と観察ポイント
作用機序
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フロセミドを使用すると水、Na、K、Clの再吸収が阻害されます
ここで注目すべきは、遠位尿細管、集合管でNa、Clは再吸収されるということです
そのため基本的にはフロセミドを使用した際には低Na血症よりも低K血症が発現することが多いです
観察ポイント
・循環血液量減少での血圧低下
利尿薬なので、尿量が増加し循環血液量が減少します
体の中に水がパンパンの状態であれば多少尿量が増えたところですぐに血圧低下にはつながりません
しかし、ラシックスを使用する多くの場合で心不全を患っている可能性があります
心不全では循環血液量が多すぎても、少なすぎても血行動態が崩れやすい状態です
そのためラシックス使用後(特に静脈内注射)は血圧低下してきた段階で循環動態が崩れるリスクがあると思い、適宜血圧測定や自覚症状の出現に注意する必要があります
・低K血症、低Na血症での症状、不整脈
前述した通りフロセミドを使用すると低K血症、低Na血症となるリスクがあります
Aライン管理をしている場合は、適宜血液ガス分析を行いK、Na値の変動を観察できますが、一般病棟ではそれができない場合がほとんどです
そのため自覚症状、心電図変化を観察することで変化に気付くことがあります
自覚症状としては、悪心、嘔吐、痙攣、筋力低下、頭痛、倦怠感、意識障害などがあります
低K血症の不整脈としては、ST低下、T波の平低化、U波が増高しT波と融合しQT(QU)間隔の延長などがみれれます
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2. 使い方~作用時間~
フロセミドの半減期は0.35時間で、最大血中濃度到達時間は1〜2時間とされています
つまり、フロセミドは使用してから1〜2時間程度で血中での濃度が最高となり、その後30分程度で濃度が半分になっていきます
その後6時間程度で効能が消失するとされています
集中治療室などでは膀胱留置カテーテルでの管理をしていることが多いため、患者さんによっては24÷6で4回/日投与する場合があります
しかし、一般病棟では膀胱留置カテーテルでの管理をしていない患者さんが多いため、夜間頻尿にならないよう昼までに投与を行う場合がほとんどです
作用時間から考える看護のポイントとしては、投与後1~2時間の反応尿を確認することになります
・使い方~応用~
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フロセミドはアルブミンと結合して血液を循環していきます
そのため血中アルブミン値が低い場合、フロセミドの効果が落ちてしまいます
さらに、低アルブミン血症の場合、膠質浸透圧の低下により血中の水分が血管外に逃げてしまい、よりフロセミドの反応が悪くなるという二重に良くない状態です
そのため低アルブミン血症で浮腫が強い時などは、点滴にてアルブミンを投与後、もしくはアルブミンにフロセミドを混注して使用します
看護師としては、採血データの確認、フィジカルアセスメントを行い、医師へ伝えることが大切です
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